社内行事の強制参加はパワハラ?|忘年会・飲み会に行きたくない!

年末年始が近づくと開かれる忘年会や新年会。

昨今は、新型コロナウイルスの影響もあり「忘年会中止のお知らせ」が来ている会社員さんも多いかもしれませんが、一方で、コロナ禍も落ち着き、通常通り、今年は飲み会・忘年会が実施される会社も多いでしょう。

  • 社内での飲み会は上司に気を遣うし怒られるしくだらないし死ぬほど行きたくない!
  • そもそも、飲み会は就業時間外に行われるものであり、参加か不参加かは本人の自由なのではないの?
  • 飲み会に限らず、社員旅行などの社内行事に強制参加させられた場合、パワハラにあたらないの?。
  • また、新人で余興を業務命令としてさせられた場合、幹事の強制は、パワハラにあたらないの?

この記事では、飲み会に死ぬほど行きたくないにもかかわらず、社内行事の強制参加をくらった方のために、それにまつわる法律問題について、分かりやすく解説していきます。

また、どうしても解決しなそうな場合は、退職することも考えて代行サービスなども念頭においておくとよいでしょう。

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社内行事の強制参加は違法?ケース別に考える

①社内行事や旅行が就業時間内に行われる場合|業務命令

飲み会や社員旅行などの社内行事が、就業時間内に行われる場合には、会社の「業務命令権」として強制参加させることも可能です。

「業務命令権」とは、会社と労働者の間で締結されている雇用契約に基づき、会社が労働者に対して、業務内容を命令する権利のことをいいます。

したがって、社内行事が「就業時間内に行われる場合」には、強制参加させられても直ちに違法とはいえません。

もっとも、社内行事が就業時間内に行われる場合には、賃金も当然に支払われます。

就業時間内に行われたのに、賃金が控除されていた場合は、賃金請求をすることができます。

②社内行事が就業時間外に行われる場合

社内行事が就業時間外に行われる場合は、参加するか否かは労働者の自由なので、会社が強制参加させることはできません。

もっとも、就業時間外であっても業務として行う場合には、「適法な残業」として強制参加が認められる場合もあります。

適法な残業とは、①会社が、労働者代表との間で、36協定(労使協定)を締結していること、②雇用契約書か就業規則に、残業命令の根拠が定められていること、③労働基準法に従った残業代が支払われていること、の要件を充たす残業のことをいいます。

この要件を充たさない残業であれば、強制参加は違法となります。

忘年会・飲み会・社内行事の強制参加はパワハラにあたるの?

パワーハラスメントとは

パワハラとは、「パワーハラスメント」のことをいいます。

厚生労働省は、職場のパワーハラスメントについて定義しており、パワハラにあたるか否かの判断となる基準は、①職場の地位や優位性を利用しているか否か、②業務の適正な範囲を超えているか否か、③精神的苦痛・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させているか否かの3点となります。

社内行事の強制参加・時代遅れの強要はパワハラにあたる?

上記のパワハラの定義から考えると、社内行事の強制参加は、いくら時代遅れの強要であっても、直ちにパワハラにあたるとはいえません。

もっとも、強制参加なのに「会社が賃金を支払わなかったような場合」には、②の「業務の適正な範囲を超えている」として、パワハラに当たる可能性があります。

また、上司が職場上の地位を利用して、無理矢理飲み会に参加させたような場合は、①の「職場の地位を利用している」としてパワハラにあたる可能性があります。

さらに、社内行事に参加しなかったことを理由に、人格的な否定をしたり、不利益を与えたような場合には、③の「精神的苦痛を与え、職場環境を悪化させている」として、パワハラにあたる可能性があります。

死ぬほど行きたくない!飲み会の幹事や余興の強制はパワハラにあたるの?

職場上の地位を利用して、上司から強制的に飲み会の「幹事」をさせられた場合や、無理矢理「余興」をさせられる場合もあります。

この場合は上記の基準に照らし合わせると、パワハラにあたる可能性があります。

これはもちろん、オンライン忘年会・オンライン飲み会も同様です。

たとえ、強制参加の社内行事で賃金が支払われているとしても、業務とは全く関係がなく、本人がやりたくない、死ぬほど行きたくないと思うことを余興として無理矢理させられた場合には「業務の適正な範囲を超えている」としてパワハラにあたる可能性があります。

さらに、社内行事の強制参加と同様に、無理矢理幹事や余興をさせられたことにより、精神的苦痛を被った場合や、幹事や余興を断ったことにより、周囲から無視をされ精神的苦痛を被った場合にも、パワハラにあたる可能性があります。

また、どうしてもふざけたいらない余興から逃れられなそうな場合は、退職することも考えて代行サービスなども念頭においておくとよいでしょう。

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くだらない飲み会・社内行事で、残業代が支払われる??

社内行事が労働時間にあたるなら残業代は支払われる

残業代は、労働基準法に定められた「1日8時間、1週40時間」という枠を超え、「労働時間」と認められる時間であれば、支払われることになります。

「労働時間」の定義については、裁判例が次のように示しています。

<最高裁判所 平成12年3月9日判決>
「労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい~」

つまり、労働時間にあたるか否かは、社内行事が「会社の指揮命令下」に置かれていると評価できるか否かが判断基準となります。

会社の指揮監督下に置かれているか否かは、強制参加なのか自由参加なのかが基準となるでしょう。

くだらない飲み会、時代遅れの社内イベントやレクリエーションに行きたくないのに、強制参加させられた場合には、会社の指揮監督下に置かれているといえるので、「労働時間」にあたるといえます。

そのため、残業代も支払われます。

一方、飲み会が「自由参加」であれば、それは会社の指揮監督下に置かれているとは言い難いので、労働時間にはあたらないでしょう。

この場合は、会社も残業代を支払わなくていいので、参加したくない労働者は参加しなくても問題ありません。

どのような場合が「強制参加」といえるの?

自由参加とは言われているけれど、参加しなければならない空気があるような場合、それが強制参加にあたるのかどうか難しい問題となります。

「強制」には「直接強制」と「間接強制」の2種類があるので、以下この2種類について解説します。

直接強制とは

「直接強制」とは、会社から「絶対に参加するように」と直接言われたような場合です。

明示されている場合に直接強制となるので、直接強制は明確で分かりやすいですね。

間接強制とは

「間接強制」とは、会社としては「自由参加です」と明示しているのに、参加しなかった場合には給料を減額するなどの不利益を被らせ、実質的に参加しなければならない状況を作り出すことをいいます。

参加しなければ怒られる場合、いじめられる場合、人事評価が悪くなる場合なども、間接強制にあたる可能性があります。

難しいのは、「なんとなく参加しなければならない空気がある場合」です。

「自由参加」と言われているとはいえ、全員が参加する空気なのに1人だけ参加しない選択肢をとるというのはなかなか難しいものです。

1人だけ参加しなかったとしても、なんら不利益を被らない場合は間接強制にはあたらないと考えられますが、個別の様々な事情を総合的に考慮して判断することになるでしょう。

社内行事で残業代が支払われない場合は、どうすればいいの?

①強制参加であったことを立証できる「証拠」を集める

まずは、賃金を請求することができる証拠を集める必要があります。

先ほど解説したとおり、社内行事が就業時間内に行われたのであれば、賃金が発生しますし、就業時間外で強制参加させられたのであれば、残業代が発生します。

そのため、①社内行事が就業時間内に行われたこと、又は②社内行事が就業時間外に行われ、強制参加させられたこと、のいずれかを証明できる証拠を集める必要があります。

たとえば、強制参加といわれた時の「メール、LINE、参加しなかったことにより受けた処分、減額されたことが分かる書類」などを残しておくといいでしょう。

証拠となりそうな書類がない場合は、自分で日記をつけておくようにしましょう。日付と時間帯、誰にどのような場面でどのようなことを言われたのか、どのようなことをされたのかを具体的に記載しておくといいでしょう。

②自分で内容証明郵便を送る・訴える

内容証明郵便を送るべき理由

残業代の支払い請求には、2年の消滅時効があります(労働基準法第115条)。

そのため、2年が経過してしまうと、どれだけ証拠があったとしても残業代を請求することができなくなってしまいます。

そこで、内容証明郵便を送ることで「時効の完成を一時的にストップ」させておく必要があります。

少し難しいかもしれませんが、内容証明郵便は「催告」とよばれる役割を果たすもので、催告をした時から6カ月間は時効の完成を猶予させることができます。そのため、この6カ月間の間に訴訟を提起するなどして、時効の完成を完全に阻止することになります。

内容証明郵便は、いつ・誰が誰に対して・何を請求したかを証明してくれるものなので、これがあれば時効の問題も解決できます。

また内容証明郵便は、労働審判や裁判になった場合に、証拠としての役割を果たします。郵便局が証明してくれるものなので、信用性が高い証拠になり得ます。

内容証明郵便の例文

会社に対して残業代の支払請求をする場合の、内容証明郵便の例文をご紹介します。実際に内容証明郵便を送る場合には参考にしてみてください。

<例文>

令和○年○○月○○日

株式会社○○○○
〒○○○‐○○○○
本社○○○○
○○ ○○(名前)殿

催 告 書 (請求書、通知書でもいいでしょう。)

私は、貴社従業員として、
20○○年○○月○○日まで勤務していた者(もしくは勤務している者)です。
20○○年○○月○○日の○○時~○○時まで(具体的な日にちと時間帯)、
○○時間の時間外労働に従事していましたが、未だお支払い頂いておりません。

つきましては、本書面到達後○週間以内に、○○○○円を、下記指定の口座までお支払い下さいますよう請求致します。

お支払いに応じて頂けない場合は、法的手段に移行いたしますので、ご承知おきください。

金融機関名 ○○○○銀行
支店名   ○○支店
種類    普通預金
口座番号  ○○○○○○○○
口座名義人 ○○○○

令和○年○○月○○日
〒○○○-○○○○
住所○○○○
○○ ○○(名前) 印

<遅延損害金>

未払い残業代に加えて、遅延損害金を請求することもできます。
遅延損害金とは、未払いによって受けた損害に対して支払われる賠償金のことをいいます。

遅延損害金をも請求する場合には、内容証明郵便にその旨を追記するといいでしょう。

③弁護士に相談をして労働審判や裁判を行う

会社との話し合いで解決できない場合には、法律の専門家である弁護士に相談をしましょう。その上で、残業代の支払い請求をする、労働審判や裁判を行います。

もっとも、労働審判や裁判を行う場合には、「退職」を前提としていることがほとんどです。

労働審判や裁判を行えば、会社との関係は悪化してしまう可能性がありますので、通常通り勤務することはなかなか難しいことが想像できます。

そのため、労働審判や裁判を行う場合には、今後の自分の居場所などもしっかりと考えた上で行うようにしましょう。

④退職

法律的なやり取りがどうしても面倒だ、難しそうだと言う場合は、退職するのも一つの手です。

しかしその際にいわゆる「バックレ」「飛ぶ」などするとのちのち問題も生じやすいです。

どうしてもふざけたいらない余興や社内行事から逃れられなそうな場合は、退職代行サービスなども念頭において利用するとよいでしょう。

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まとめ

会社の飲み会や社員旅行などの社内行事はオンライン忘年会・飲み会も含めて、賃金の支払いなしに強制参加をさせることはできません。

また、就業時間外強制参加で行われた場合には、残業代の支払い請求をすることができます。残業代が支払われない場合には、内容証明郵便を送ることや、弁護士に相談をして労働審判・裁判を行うことが考えられます。

社内行事の強制参加や、幹事・余興を強制的にさせることは、場合によってはパワハラにあたることがあります。

今年は、忘年会中止のお知らせが来ている方も、来年は強制参加になる恐れもありますので、よく覚えておきましょう。

うざいと思っても、コミュニケーションをうまくとりながら、限度を超えない範囲で社内行事が行われるといいですね。

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監修
弁護士相談Cafe編集部
本記事は労働問題弁護士カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
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