未払い残業代請求の時効は3年?5年?民法改正の影響など解説

監修
弁護士相談Cafe編集部
本記事は労働問題弁護士カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
この監修者の記事一覧

残業をした場合、使用者は労働者に残業代を支払わなければなりません。

しかし、残業代請求権は「時効」にかかります。そのため、いざ残業代請求をしても、時効が完成しているため請求が認められないことがあります。

この記事では、未払い残業代請求の時効について解説します。

時効について

未払い残業代請求権の時効について説明する前に、時効制度について説明します。

時効とは

時効とは、一定の事実状態が継続した場合に、その状態を保護する制度です。

時効には取得時効と消滅時効がありますが、残業代請求で問題となるのは「消滅時効」です。権利が消滅時効にかかると、その権利は消滅します。

消滅時効により権利が消滅するためには、権利の発生から一定の期間が経過しなければなりません。その期間が経過することを「時効の完成」といいます。

時効の援用とは

時効が完成しても、それだけでは権利は消滅しません。

時効により権利を消滅させるには、当事者の「援用」、すなわち時効により権利を消滅させる「意思表示」が必要です。この意思表示は、口頭や書面によって行うこともあれば、訴訟においてする場合もあります。

使用者は、時効が完成している場合には時効を援用する事が多いです。

そのため、時効が完成する前に、債権者は権利を行使することが重要です。

起算点と初日不算入の原則

なお、時効を計算する際には、初日を算入しません(初日不算入の原則)。

残業代の時効の起算点は賃金支払日ですが、例えば4月10日に残業代を請求できるようになったとしても、時効の計算が始まるのは「4月11日」からということに注意してください。

未払い残業代請求の時効は3年?5年?

さて、未払い残業代請求についての消滅時効は何年でしょうか。

労働基準法115条によると、賃金請求権の時効は5年となっています。ただ現在では、暫定的な措置として、賃金請求権の時効は3年となっています。

したがって、いま発生している残業代請求権は、3年で時効にかかることになります。

月末締めで翌月10日払いの会社のケースでは、2022年4月10日に残業代が支払われないと、2025年の4月10日を経過した時点で時効が完成します。

同様に2025年の5月10日、6月10日に残業代が支払われなかった場合には、順次、時効が完成していきます。

時効を中断することは可能?

労働者からすると、消滅時効が完成してしまうと、未払い残業代請求ができなくなってしまうので、時効の進行を止めたいと考えるでしょう。

結論から言うと、時効の完成を中断することは可能です。時効の完成を阻止する手段として完成猶予と更新があります。

①完成猶予

完成猶予とは、一定の事由が生じた場合、本来の時効が完成する時点では時効が完成しないとする制度です。

例えば、4月1日に時効が完成する予定なのですが、3月31日に完成猶予を生じさせる事由が発生した場合には、4月1日には時効は完成しません。この場合いつ時効が完成するかは、完成猶予事由ごとに異なります。

完成猶予を生じさせる事由としては、例えば①強制執行②裁判上の請求(訴え提起など)③催告があります。

特に催告は、時効を中断させる手段として最も一般的なものです。使用者に口頭でした場合でも、内容証明郵便を送った場合でも時効の完成猶予が生じます。

もっとも、証拠として残すためにも、催告は内容証明郵便ですることが望ましいです。

催告による時効の完成猶予は、その時から6ヵ月までしか効力が生じません。したがって、先ほどの例では、10月1日を経過した時点で時効が完成してしまいます。再び催告をしても、時効の完成猶予は生じません。

そのため、内容証明郵便を送るなどして時効の完成猶予を生じさせた場合でも、残業代を支払ってくれない場合には、労働審判を申し立てたり、訴えを提起したりする必要があります。

関連記事
労働審判とは|費用や流れ、自分で弁護士なしでいけるかを解説
給料の未払いなどの労働問題を解決するための手段の一つとして「労働審判」があります。 この記事では、労働審判とはなにか…[続きを読む]

②更新

時効の更新とは、時効の進行を止め、その時点から時効を新たに進行させる制度です。更新は、完成猶予と異なり、進行していた時効を完全に遮断し、新たにその時点から時効の進行を始めさせるものです。

例えば、2022年4月1日に時効が完成する予定であっても、3月31日に時効の更新事由が生じた場合、2022年4月1日に時効は完成せず、再び2022年4月1日を起算日とする時効期間の進行が始まります(この場合、時効が完成するのは2025年4月1日の経過時となる)。

時効の更新事由として①裁判の確定②相手方の権利の承認などがあります。

②の債務の承認とは、「確かに残業代を払っていません」「1ヶ月分だけ払います」と明言されるなど、使用者が残業代の存在を承認することをいいます。口頭によるものであっても承認の効果は生じます。
もっとも、後で誤魔化されないように、書面に残したり、音声を録音したりすることが望ましいでしょう。

4.まとめ

このように、未払い残業代請求権は時効にかかって消滅してしまう可能性があります。そのため、残業代請求は早めにするべきです。

残業代請求をする際には、証拠を収集したり、使用者と交渉したりするなど、手間がかかることが多く、また専門的な知識が必要です。

残業代請求を考えている方は、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

【仕事辞めたい】会社がつらいと思ったらやるべきこと

①会社がつらすぎる!仕事を辞めたい

昨今、大企業にしろ中小企業にしろ、劣悪な労働環境によって引き起こされた事件事故が少なくありません。

もしも、ご自身が勤めている企業がそのような企業で、以下のような労働環境で一切処遇改善も行わないなら「退職」を申し出るしかないでしょう。

  • 「体力的にも精神的にも限界がきて、不調をきたしている。」
  • 「人員不足で何をいっても、退職を認めてもらえない」
  • 「体育会系・ブラックすぎて、申し出た後に何をされるか分からなくて怖い。」
  • 「上司や人事に強く説得され、退職を引き止められてしまう」
  • 「顔を合わせることを考えるだけで、胸が痛い・吐き気がする」

心と体がさまざまなSOSのサインを出しているときに、退職の意思を伝えることとはなかなかのパワーが必要です。

退職は、ぼんやりといつか辞めたいなぁと思っているだけでは、なかなか実行できません。

ただ、覚えておくべきことは「会社の事考えずに退職した方がいい」ということです。急な退職はめちゃくちゃ迷惑をかけるから躊躇してしまうという方も多いでしょうが、自責や罪悪感を感じる必要はまったくありません。

仕事がキツすぎて逃げるように退職することは決して悪いことではありません。

変に留まってしまったり、会社側の態度を気にしてしまう方が、お互いにとってよくないと考えましょう。

②退職を切り出す勇気がない方必見!『退職代行サービス』

退職をご自身で言い出せる環境にない方は、退職を失敗しないために『退職代行サービス』の利用が不可欠です。

「退職代行サービス使うと余計に揉めるかな?」って考えている人は心配ご無用!ポイントは3つです。
  • ①即時退職
  • ②連絡不要
  • ③お金の心配は不要
①退職代行サービスなら「無料相談→必要事項を返信→振り込み→当日電話→すんなり離職票」までサクサク終わります。

②退職代行サービスを利用しても、相手側はいろんな手を利用してコミュニケーションを取ろうとして来る場合もありますが、退職代行サービスを利用して回避することが可能です(着信拒否&Lineブロックを忘れずに)。

③金額相場は25000~40000円で金額は決して安くはありませんが、退職前に「有給消化」をすることで収支トントンになる可能性があります(*退職するのが難しい企業の場合、ふだんから有給すら消化させていないケースも多いでしょう)。

退職のダラダラ引き伸ばしで、絶対に会社に殺されないようにしましょう。

1人で悩まず、今すぐ当事者と利害関係のない公正中立な第三者の専門家の力を借りて解決を図りましょう。

③【2022年版】退職代行ランキング - 業界実績No.1!

今回は、退職代行サービスの中でも、サポートの質が高い3社を厳選してご紹介します。

【会社側と話したくない!】
①【退職代行サービス】辞めるんです

業界初!後払いサービススタート

業界初!後払いサービススタート

業界初!後払いサービスがスタートしました。退職代行サービスで、会社に連絡せずに退職!即日対応!LINEでの無料相談可能。退職届のテンプレもキャンペーンでプレゼント。多数メディア実績あり。
解決実績多数!詳しくはこちら
【心を病みきってしまう前に】
②【退職代行サービス】退職代行Jobs

業界初!顧問弁護士監修

業界初!顧問弁護士監修

業界初!顧問弁護士監修の退職代行。Jobsは顧問が顔を出し、正面から代行の安全性を守ります。当然業界初です。弁護士事務所の事業としないことで、低価格、24時間対応などのサービスを実現!顧問弁護士自身が就業に関する挫折を経験しており、最初の就職先である法律事務所を1年経たずに退所しています。「会社を辞めたい」の気持ちをしっかり汲み取るのがJobsの良さです。
解決実績多数!詳しくはこちら

即日退職可能!

即日退職可能!

即日退職可能!業界最安値クラスの料金!退職届テンプレを無料でプレゼント。加えて無料の転職サポート!4000人以上、16年以上の実績があり、退職成功率100%の実績があります。
解決実績多数!詳しくはこちら
この記事が役に立ったらシェアしてください!