残業代未払いについて労基署は対応してくれるか?注意点など解説

会社に労働基準法などの法令違反があった場合には、労働基準監督署に相談することで、違法状態の改善が期待できます。

では、残業代の未払いがあったときも労働基準監督署に相談や申告をすれば、会社から未払いの残業代を支払ってもらうことができるのでしょうか。労働基準監督署に相談・申告をする際には、いくつか注意すべきポイントがありますので、しっかりと押さえておくことが大切です。

今回は、残業代未払いの問題を労働基準監督署に相談・申告した場合の対応と注意点などについてわかりやすく解説します。

1.  残業代の未払いは労基署に相談できる?

残業代未払いの問題が生じたときは、労基署に相談することができるのでしょうか。

(1)労基署とは

労基署とは、労働条件の改善、労災保険の給付、安全衛生の指導などを行っている厚生労働省の出先機関です。

労基署は、都道府県労働局の下部組織として全国に300か所以上設置されています。

労基署では、労働基準法などの法令違反があった会社に対して、是正や指導を行う権限があり、悪質なケースでは、強制捜査や逮捕を行うこともあります。そのため、労基法違反の疑いが生じた場合には、労基署に相談することにより、違反状態の改善が期待できます。

(2)残業代の未払い問題も労基署が対応可能

労働基準法では、使用者には労働者に対する賃金の支払いが義務付けられています。残業代も賃金に含まれますので、残業代の未払いがあった場合には、労働基準法違反となります。

そのため、このような残業代未払いの問題については、労基署でも対応できる内容となりますので、残業代の未払いがあったときは、労基署に相談または告発することができます。

2. 労基署に残業代未払いの相談・告発をする流れ

労基署に残業代未払いの相談・告発をする場合には、以下のような流れで行います。

(1)残業代の未払いに関する証拠を集める

労基署に相談・申告する前に、残業代の未払いに関する証拠を集めることが重要です。証拠がない状態で相談・申告したとしても、労基署では、労働基準法に違反する可能性があるかどうかが判断できませんので、具体的に動いてもらうことができません。
未払い残業代の問題であれば、以下のような証拠を集めてから労基署に行くようにしましょう。

  • 雇用契約書
  • 就業規則
  • 給与明細
  • タイムカード、シフト表など労働時間がわかるもの

(2)労基署への相談・申告

残業代の未払いに関する証拠が集まったら、労基署に相談・申告を行います。

相談は、残業代未払いに関する解決方法のアドバイスをもらうことができ、申告は、会社の違反事実について労基署に調査を求めることができます。残業代未払いに関する問題の解決を希望する場合には、相談ではなく申告を行うとよいでしょう。

(3)労基署による調査、指導、是正

申告を受けた労基署では、労働基準法違反の疑いが認められるときは、事業所への立ち入り調査などを実施します。一連の調査の結果、労働基準法違反の事実が認められた場合には、事業主に対して、指導や是正勧告などが行われます。

3. 労基署に告発したことで不利益を受けることはあるの?

労基署に残業代の未払いに関する問題を告発したことで、会社から解雇などの不利益処分を受けることはあるのでしょうか。

(1)労基署への申告を理由とする不利益処分は禁止されている

労働基準法では、労働者が労基署に法令違反の申告をしたことを理由として、解雇などの不利益処分をしてはならないと定めています(労働基準法104条2項)。

また、これに違反した場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

さらに、公益通報者保護法では、公益通報をした労働者への解雇無効や不利益取り扱いの禁止を定めています。このように法律によって解雇などの不利益取り扱いは禁止されています。

(2)解雇などの不利益取り扱いを受けたときはどうすればよいの?

法律によって解雇などの不利益処分が禁止されているといっても、労基署への申告をしたことが会社に知られれば、何らかの不利益処分を受ける可能性があります。

そのような場合には、不利益処分を受けたことを理由に再度、労基署に申告してみるとよいでしょう。違法な処分であることを理由に労基署が会社に対して、指導や是正勧告をしてくれるはずです。

また、弁護士に依頼して不利益処分の撤回を求めるという方法も有効な手段となります。

4. 労基署に相談・申告する際の注意点

労基署に相談・申告する際には、以下の点に注意が必要です。

(1)労基署の指導や是正には強制力がない

労基署から指導や是正勧告を受けた場合には、ほとんどの会社がそれに従いますので、違法状態の改善が期待できます。

しかし、労基署の指導や是正勧告には、法的な強制力はありませんので、会社によっては、労基署の指導や是正勧告に従わないこともあります。

そのような場合には、労基署ではなく、弁護士に相談するなどして、具体的な対応を進めていく必要があります。

(2)残業代の回収まで対応してくれない

労基署は、未払いの残業代があるときは、指導や是正勧告により労働者への支払いを求めていくことになります。

しかし、労働基準監督署では、労働者の代理人として、未払いの残業代の回収までは対応してくれません。

残業代の回収については、労働者自身で対応しなければなりませんので、ご自身で対応するのが負担だと感じる場合には、弁護士に依頼するのがおすすめです。

5. まとめ

残業代の未払いがあったときは、労働基準法違反となりますので、労基署に相談・申告をすることができます。

労基署の調査の結果、残業代の未払いが確認されたときは、指導や是正勧告などにより違法状態の改善が期待できますので、まずは労基署に相談してみるとよいでしょう。

ただし、労基署による対応には強制力がなく、未払いの残業代の回収までは対応してもらうことができません。実際に残業代の回収をお考えの方は、未払い残業代の問題を弁護士に相談することをおすすめします。

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監修
弁護士相談Cafe編集部
本記事は労働問題弁護士カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
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