逆パワハラとは|職場の困った部下の心理・事例・対処法

逆パワハラ(部下からのハラスメント)を受けた場合の対処法は?

パワハラが社会問題となってから、この言葉を耳にするのは珍しくなくなりましたが、最近では、「逆パワハラ」という名称のハラスメントが深刻になっています。

これまでとは異なり、部下が上司に対し嫌がらせを行うというものです。もし、「逆パワハラかも?」と感じている場合は、早急に対処する必要があります。

そこで、今回は部下からの逆パワハラについて解説します。逆パワハラの定義、事例、逆パワハラをする心理・理由、効果的な対処法までわかりやすくご説明いたします。

逆パワハラが流行中!?通常のパワハラとの違いとは

逆パワハラがどのようなハラスメントなのか、また通常のパワハラとはどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

逆パワハラの定義・意味・言動例

最近では、ハラスメントに関連する言葉が世の中に溢れていますが、これまでとは逆の構造のハラスメント「逆パワハラ」に注目が集まっています。

逆パワハラとは、職場で「部下が上司に対して」職場で嫌がらせや暴力、暴言などをふるうことを指します。

パワハラといえば、部下が上司に行う例が一般的でしたので、これまでと異なるハラスメント構造に戸惑う人も多いようです。

例としては、以下のような問題が起きています。

・部下が上司に暴言を吐く
・部下が上司に対し、パワハラ・セクハラを受けたと虚偽の申告をする
・命令や指示を部下が無視する
・ネット上で上司の悪口をばらまく
・PCなどが上手に使えない上司をバカにする
・何か気に入らないことがあれば、怒って解決しようとする
・注意されたことが気にくわず、パワハラを盾に上の機関に告げる

上司の言うことには「根拠がない」「パワハラで指示を出している」など誹謗中傷や暴言を繰り返すケースがあります。

また、服装などで何らかの注意をした場合に「そんなところを見ているなんてセクハラだ」と人事部に報告をする、締め切りを守れといえば「必要のない暴言も一緒に言われた」と上に報告を出すというケースがあります。本当であればセクハラ、パワハラに当たりますが、わざと上司を貶めるために過剰な言動をしているケースがあります。

またあからさまに上司が自分よりできないことを周囲に吹聴する、最近ではSNSに上司の悪口を書き込むなどがあります。上司の指示を無視して、無視したことを叱責すればパワハラだと騒ぎ立てるのです。

このように、逆パワハラはこれまでの構造とは真逆にあるため、なかなか周囲に理解をしてもらえないことがあります。

逆パワハラによる被害

逆パワハラを受けた場合、上司という立場から何も言えずに対応に困ってしまう方が多くいます。人事だけでなくさらに上の機関に報告しても、「管理能力がない」と捉えられてしまう可能性や逆に部下から余計に責められる可能性を考えてしまい、周囲に話せなくなってしまうのです。

この結果として、以下のような被害が起きています。

・暴言にとどまらず、部下から暴力を受けてしまう
・上司が鬱病になる
・上司が会社に来ることができなくなってしまう
・会社を辞めてしまう
・上司が部下に対し損害賠償を求める
・裁判となれば、会社のイメージも損なわれる

上司や周囲の人が止めないことをいいことに、暴言や誹謗中傷にとどまっていたものが、暴力に発展してしまう事例もあります。部下の言動により上司は疲弊してしまい、精神病にかかり、会社を休職したり、辞めてしまったりする事例もあるのです。被害が大きいケースでは、上司が部下個人に対し損害賠償請求を求め、これが公に取り上げられれば企業イメージも悪化します。

逆パワハラはあまり注目されないからこそ、被害が大きくなってしまうことがあります。初期の段階できちんと対処していく必要があるのです。

普通のパワハラとの違い

逆パワハラとパワハラの違いは、通常の優劣構造とは逆の関係があること、そして通常のパワハラよりも周囲に理解を得にくいことです。逆の構造があるからこそ、周囲からは見えにくく、被害も大きくなってしまうことがあるようです。

また「逆パワハラは、いわゆるパワハラと定義されないのでは?」と感じる方は多いでしょう。しかし、厚生労働省の出すパワーハラスメントの定義では、「職場」における「優越的な関係を背景とした言動」であり、「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」であり、「労働者の職業環境が害されること」を示されています。

これらの定義から、「優越的な関係」を取り出すと上司と部下の関係がわかりやすいですが、実際上は、この優越関係が逆の構造になったケースも当てはまると考えられています。そのため、パワハラの1つと考えられるのです。

このように、これまでとは異なる構造のパワハラがあるということは、皆さんが理解しておくべき問題です。

逆パワハラをしてくる心理・背景は?

会社の構造から考えると、「逆パワハラは起きにくい」と思うのは当然です。では、なぜ部下は上司に対し逆パワハラをするのでしょうか? その心理や背景についてご説明します。

逆パワハラをする心理

逆パワハラをする人には、以下のような意識が根底にあることが多いでしょう。

・自分の方が優秀だと思っている
・承認欲求が強い
・精神的に未熟

まず、逆パワハラをする部下は、上司よりも自分の方が能力は高いと考えています。「なぜ自分より能力が低い人に指示されなければいけないのか?」と考えているケースが多く、このような気持ちを抱えているからこそ、無視したり、誹謗中傷したりという問題を起こしてしまいます。

昔なら年功序列が当たり前でしたので、「年齢が上」「経験が上」という事実だけで相手を敬う姿勢がありましたが、能力主義を背景にこのような意識が薄れていってしまった可能性があるでしょう。

また最近ではSNSでも話題になる「承認欲求が強い」人というケースも考えられます。SNSを当たり前のように利用する世代は、自分の私生活を公に晒すことを厭わない傾向にありますが、これは「自分を見て欲しい」という欲求の現れともいわれています。

他方で、自己肯定感が低く、否定されるとすぐに落ち込んでしまう人も多いようです。職場では、上司から指示される、間違っていることを指摘されることで、自分が否定されているような気持ちになってしまう人もいます。もちろん過剰な叱責などは通常のパワハラに当たるため控えるべきですが、少し注意しただけでも部下が過剰に反応して怒りを爆発させる、という結果が逆パワハラに繋がることがあります。

仕事で注意されることは自分を否定されることではなく、仕事のやり方、進め方などを良い方向に改善するためのアドバイスです。しかし、これを「自分が否定されている」と捉えてしまう人は多くなっています。これは精神的に未熟であることが原因ですが、本人の問題というよりは社会的背景が原因です。褒めてから注意するなど、注意する側にも配慮が必要でしょう。

逆パワハラが起きる背景・理由

逆パワハラが起きる理由は、当事者の問題だけではありません。このような問題が起きる背景には、以下のような問題があるようです。

・能力主義の台頭
・テクノロジーの発展
・逆パワハラの周知が足りない
・上司の管理能力、コミュニケーション能力が低い

少し前までは、年功序列が当たり前でした。しかし、今は「できる人が上に登る」能力主義、実力主義の社会へと変化していっています。

日本は年功序列が今でも根強く残っていますが、変化が起きている会社はできる部下がいれば年齢に関係なく出世できることもあります。

また過渡期にある会社では、能力のある若い世代を雇用しているため、これまでのやり方で進める上司と効率的なやり方で仕事を進める部下との間で軋轢が生じやすい環境があります。

それでも上司と部下の優越関係がこれまで通りなら逆パワハラの問題は起きませんが、上司が引いてしまうと逆パワハラの問題が起きやすくなってしまうのです。

テクノロジーの発展により会社の業務の効率化が進んでいます。これを得意とするのが若い世代です。他方、これに慣れていないのが上司の世代ではないでしょうか。新しいものの使い方がよくわかる部下から見ると、上司は頼りなく感じ、バカにした物言いをしてしまう人も出てくるということが考えられます。

また逆パワハラが一般的に知られてしないことも背景にあります。上司がパワハラを受けていても、それを伝えにくい社会背景も問題です。逆の構造のパワハラもあるということを会社で伝えていく必要があるでしょう。

上司の方が真面目で気が弱いタイプだった場合、部下が調子に乗って暴言を吐いてしまうケースもあります。上司の管理能力が低ければ、部下にうまく指示を伝えられず、上手なコミュニケーションが図れないという場合もあるようです。

このように、さまざまな背景が逆パワハラを生み出すきっかけとなっています。

部下に逆パワハラをされたら、どう対処すべき?

では、部下がパワハラ的な態度を取ってきたら、上司としてはどのように対処すべきなのでしょうか?事例別にご説明します。

部下が指示を無視する、上司の指示をバカにする場合

部下が指示を無視する、上司の指示をバカにするケースでは、コミュニケーション不足が原因であることが多いようです。

「上司の言うことに意味がない」と考えているのであれば、部下と話し合い、なぜそのように感じるのかを聞き、きちんとコミュニケーションを取りましょう。

会話をしてみると、「自分の意見を聞いてくれない」などの不満があるのかもしれません。他の部下とも一緒に話し合いを行い、どのように仕事を進めれば良いのか、解決していけばいいのか、話し合いの機会を持ちましょう。

暴言や暴力を受けた場合

暴力や暴言がある場合は、すぐに上の機関や人事部、法務部に相談すべきです。

暴言や暴力は当事者間だけでは解決できません。第三者に介入してもらい、きちんとした事実確認のもと、仲裁をしてもらうことが重要です。暴力などがある場合には、証拠を集めておくと有利に話が進んで行きやすいでしょう。

逆パワハラは理解されにくいので、否定できない客観的証拠を集めておくことが重要です。

虚偽のハラスメントを告発された場合

虚偽のハラスメントを告発された場合は、ご自身からも逆パワハラを受けたことを告発することが重要です。

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これには先にご紹介した証拠を集める作業が重要となります。行き過ぎた言動が増えている場合には、録音などをしておくことや、2人だけでの空間にならないように配慮することも重要です。

逆パワハラでお悩みの方は、弁護士にご相談を

逆パワハラを告発されてしまった場合は、弁護士に相談するのも1つの方法です。

逆パワハラは理解されにくいですので、専門家のサポートの元、反論をしていくことが有効であることも多いからです。

労働環境にお悩みがある場合は、労働問題に強い弁護士にご相談ください。

【仕事辞めたい】会社がつらいと思ったらやるべきこと

①会社がつらすぎる!仕事を辞めたい

昨今、大企業にしろ中小企業にしろ、劣悪な労働環境によって引き起こされた事件事故が少なくありません。

もしも、ご自身が勤めている企業がそのような企業で、以下のような労働環境で一切処遇改善も行わないなら「退職」を申し出るしかないでしょう。

  • 「体力的にも精神的にも限界がきて、不調をきたしている。」
  • 「人員不足で何をいっても、退職を認めてもらえない」
  • 「体育会系・ブラックすぎて、申し出た後に何をされるか分からなくて怖い。」
  • 「上司や人事に強く説得され、退職を引き止められてしまう」
  • 「顔を合わせることを考えるだけで、胸が痛い・吐き気がする」

心と体がさまざまなSOSのサインを出しているときに、退職の意思を伝えることとはなかなかのパワーが必要です。

退職は、ぼんやりといつか辞めたいなぁと思っているだけでは、なかなか実行できません。

ただ、覚えておくべきことは「会社の事考えずに退職した方がいい」ということです。急な退職はめちゃくちゃ迷惑をかけるから躊躇してしまうという方も多いでしょうが、自責や罪悪感を感じる必要はまったくありません。

仕事がキツすぎて逃げるように退職することは決して悪いことではありません。

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