能力不足・仕事が合わない時の退職理由の伝え方・例文を解説

- 「今の仕事が合わない・向いていない」
- 「仕事についていけない・仕事を続ける自信がない」
- 「能力不足だと感じる…」
働きながら、このような考えに悩まされていて、今の仕事を辞めたいと考えている人も多いでしょう。
ただその場合、何よりも「どのように退職理由を伝えるべきか」という点で迷ってしまうケースも多いでしょう。
そこで今回は、能力不足や仕事が合わない・向いていない場合の退職理由の伝え方や例文をお伝えします。仕事が合わないことが退職理由となるのか、仕事を続ける自信がない、仕事が合わない場合の退職理由・転職理由の上手な伝え方、退職時の注意点を解説します。
仕事が合わないことを理由に退職できるか
まずは能力不足や仕事が合わないことを理由とする退職についてご説明します。今の仕事が自分に合わないことについて「それが退職理由になるの?」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
仕事が合わないことで退職する人は多い
実際のところ、退職理由に制限はありません。そのため、仕事が合わないこと、仕事を続ける自信がないことは退職理由になります。
平成30年の厚生労働省の統計によると、退職理由は下記のような結果でした。
- 「仕事の内容に興味を持てなかった」と答えた人は4.6%
- 「能力、個性、資格を活かせなかった」と答えた人は4.8%
この結果を見ても分かる通り、個人のスキルや性格、やりたいこと等を含めて「仕事が合わなかった・向いていない」と考え、退職を決断する人は一定数存在します。
能力不足や仕事が合わないことを日々感じていると、個人のパフォーマンスも下がってしまうことから、会社で能力を十分に発揮することも難しいケースは増えます。「自分に合っていない」と捉えることで、ストレスを抱えることから社内の人間関係や待遇面にも不満を感じやすくなることがあります。
正直に退職理由は伝えるべき?
能力不足、仕事が合わないことを上司などに正直に伝えるべきなのかは、迷いどころです。
結論からいうと、正直に伝えることも、上手な嘘を伝えることも、ご本人次第です。どちらにもメリット・デメリットがあります。
正直に伝えた場合
正直に伝えた場合、「もう少し頑張ってみないか?」と引き留められる可能性はあります。
また、「仕事があっていない」ことを伝えると、特に若い世代の場合は「まだそれは判断できないはず」と説得される可能性があります。
他方で、自分の気持ちを正直に伝えることで気持ちがスッキリするというメリットはあるでしょう。
嘘を述べる場合
上手な嘘を述べる場合、例えば「家族の事情」などが挙げられます。介護や育児、その他病気の悪化など様々な事情を伝えることができ、容易にご自身だけでは解決できない状態であることを理解してもらえるでしょう。
他方、就職して1年未満の場合は、若手が一定数辞めていくことから「嘘だ」とバレてしまうこともあります。
本当にそのような状況があるなら、もっと早くに伝えているはずだと上司や会社に見破られてしまうこともあります。バレると余計に厄介なことに巻き込まれる可能性はあります。
能力不足、仕事が向いていない場合の退職の上手な伝え方
次に、退職理由の上手な伝え方について見ていきましょう。転職時の面接にて伝えるべき内容についてもご説明します。
仕事が向いていない、続ける自信がない場合に伝えるべき内容・例文
「仕事が向いていない」ことが退職理由であったとしても、ご自身の印象を悪くしてしまう可能性があるので、角が立たない退職理由を事前に考えておくべきです。
まずは、会社を辞める「前向きな理由」を考えてみましょう。
例えば、転職後に「どのような仕事がしたいのか」を考えてみるのです。
具体的に掘り下げていくことで前向きな退職理由となり、角が立たない理由を考えることができます。例文としては、以下のような内容が考えられるでしょう。
- 【例文1】昔からやってみたいことがあり、熟考した結果今の会社を退職してやりたいことに挑戦してみようという気持ちになりました。
- 【例文2】現在の仕事を通して、別の分野に興味を持ち始めるようになりました。今の仕事では多くのことを学びましたが、今後は新しい分野に挑戦したい所存です。
- 【例文3】新しい仕事に就くために、資格・免許の勉強に専念することを決断いたしました。
転職活動での伝え方・例文
転職活動でも、面接で退職理由を聞くのは一般的です。この場合も、「仕事が向いてなく合わないため辞めました」とダイレクトに伝えてしまうと、「能力不足で、この仕事も合わなければすぐ辞めるのでは?」と捉えられてしまいます。
そのため、転職活動でも前向きな理由を伝えるようにしましょう。基本的には今の会社に退職理由を伝える場合と同じ内容でOKです。
仮に元職場に対して仕事を続ける自信がないなど正直な気持ちを伝えたとしても、転職活動の場ではネガティブな内容を伝えることは避けるべきです。例文としては以下の通りです。
- 【例文1】前職では○○に従事していましたが、仕事を通じて新しい分野に興味を持つようになりました。御社なら私が望んでいる分野にて働くことができると思い、応募いたしました。
- 【例文2】前職では多くのことを学びました。大きな不満はありませんでしたが、昔からやってみたいと考えていた仕事があり、働いているうちに徐々にその考えが大きくなりました。人生は一度切りなので、挑戦してみたいと考え、転職を決断しました。転職先を探していて、御社の仕事内容が目に止まり、自分がやりたいと考える仕事内容に合致していたことから、御社に応募いたしました。
退職する際の注意点
最後に退職する際の注意点についてご説明いたします。
退職の時期を早めに検討する
仕事を続ける自信がないけども、現段階では退職も迷っているという方も多いかもしれません。
しかし、退職の可能性がある場合は、できるだけ「早い段階」で退職時期を定めるべきです。そのため、退職すべきか検討する期間も最初に決めておいた方が良いでしょう。あまり多くの時間を費やすと「辞める・辞めない」のループに陥ってしまうため、半年以上の時間をかけないことをおすすめします。
いつ辞めるべきかのルール
退職を決断したら、いつ辞めるのかを判断します。これを決める際は、以下のルールを守るようにしてください。
- 繁忙期は避ける
- できるだけ早い段階で上司や会社に伝える
- 就業規則に従い退職の申し出を行う
- 最悪でも、1ヶ月前には退職の申し入れを行う
退職する際は、できる限り会社に迷惑をかけないようにするため、繁忙期は避けることをおすすめします。
その上で、退職の意思を固めたら早めに直属の上司に伝えましょう。正式な退職届を出す前に、早めに伝えておくことで社内の混乱を避けることができます。退職届を提出する時期については、就業規則に従いましょう。
多くは1ヶ月か2ヶ月前です。民法上は、退職2週間前に伝えれば良いのですが、一般的にはこれよりも早く伝えるのがマナーとされています。よほどの事情がない限り、余計な揉め事を起こしたくない方がほとんどだと思いますので、最悪でも1ヶ月前には退職の申し入れを行いましょう。
その他に守るべきポイント
そのほかに守るべきポイントとしては、以下を挙げることができます。
- 直接口頭で上司に伝えること
- 退職理由、時期、引き継ぎなどで必要なことをあらかじめ考えておくこと
- 引き留めにあう可能性を考えておくこと
直接口頭で上司に伝えること
退職を伝える場合「メールの方が十分に言いたいことを伝えることができるはず」と考える人もいます。
しかし、社会人としてはメールだけで退職を伝えるのは不適切です。上司に本気で退職の意思があることを伝えるためにも、直接対面でご自身の意思を話すことをおすすめします。
必要なことをあらかじめ考えておくこと
誰にとっても退職は言いにくいことであることから、事前に内容も整理しておくと良いでしょう。
具体的には、
- 先にお伝えした前向きな退職理由
- 退職の時期の目安
- 引き継ぎや後任に関すること
など、会社に迷惑がかからない形で退職したいことを伝えましょう。
引き留めにあう可能性を考え、レスポンスも考えておく
また引き留めにあう可能性も十分にあることから、事前に言われる可能性があることを書き出しておきましょう。
- 「給与面の不満を改善する」
- 「興味のある分野に異動させる」
上記のようなことを言われることも考えられるので、これらに対するリスポンスも考えておくのが適切です。
上手な退職理由の伝え方を事前に練習しておこう
今回は、能力不足、仕事を続ける自信がない方向けの退職理由・転職理由の例文や伝え方を解説しました。
実際に退職を伝える際は緊張してしまい、余計な内容を伝えてしまうかもしれません。
余計なストレスを抱えないようにするためにも、できるだけ準備期間に時間をかけ、事前に練習しておくと良いでしょう。